カザフスタン選手権の今昔(後編)
前編で、情報の少なすぎる昔のカザフスタン選手権についての話をしました。
それでも、探してみると僅かながら当時の情報を見つけることができます。
特に2007年の選手権については、デニス・テンくんとアブザル・ラキムガリエフ先輩、2人の動画があります。
選手のご家族か関係者の方が撮影されたものだと思いますが、とても貴重な動画を共有して下さってありがたく思います。
動画タイトルに「2007」とありますが、おそらく2006-2007年シーズンだと思います。
テンくん13歳、アブザル先輩14歳ですね。
それでは、カザフスタンの有望な2選手の熱い戦いをご覧ください。
【アブザル・ラキムガリエフ 2007年カザフスタン選手権SP】
(アブザル先輩のFP動画は見当たりません。)
この年はアブザル先輩が優勝、テンくんが2位。
国際大会の成績だと、テンくんの方がやや上。
世界ジュニアの代表に選ばれたのはテンくんでしたが、スケート連盟の方はどちらを派遣するか悩まれたでしょうね。
この翌年、アブザル選手は一足先に15歳でシニアの世界選手権に出場(テンくんは世界ジュニア出場)。
さらに、翌年はテンくんが同じく15歳で世界選手権出場。15歳ながら8位になり、翌年のバンクーバー五輪の出場権2枠を獲得。
そして、カザフスタンスケート界黄金伝説がはじまったのでした。(完)
カザフスタン選手権の今昔(前編)
フィギュアスケート界でカザフスタンという国は、個性的な代表選手たちの活躍のおかげですっかりメジャーな存在になりました。
が、ごく一部の選手以外については情報も少なく、特にカザフスタン選手権については、近年までいつどこで行われたのかもわからないまま結果だけが流れてくるような状態でした。
情報が少ないのは、有名な選手が少ない上に、その有名な選手も出場しないことが多いせいかもしれません。
デニス・テンくんもアブザル・ラキムガリエフ先輩も国内ワンツーの地位が確立してからは出場していない年が多いですし、エリザベート・トゥルシンバエワ選手も2017年からは出場していないので、世界選手権出場レベルの選手はエントリー任意なのかもしれません。
ちなみに、日本語版Wikipediaによると、テンくんもアブザル先輩も、出場していなかった大会でもなぜか順位が記載されたりしています。国際大会の結果を総合的に考慮した順位を国内順位として公表していたのでしょうか??
テンくんが出場せずアブザル先輩が1位だった2014年も、テンくんもアブザル先輩も出場していなかったはずの2015年も、日本語版Wikipediaでは「1位 デニス・テン、2位 アブザル・ラクムハリエフ」と記載されていて、謎は深まるばかりです(英語版Wikipediaによると、2014年の2位と2015年の1位はDaniyar Adylov選手)。
そんな謎の多いカザフスタン選手権ですが、何と!
2020年12月に行われた大会では公式サイトとライブストリーミングが用意され、世界に向けて公開されました。
アーカイブ動画はこちら↓
男子も女子も国内上位の選手はほとんどが国外(ロシア)拠点だからか、国際大会によく出場している選手たちは、今回ほとんど出場していないようでした。
国際大会レベルの出場者は、男子シングル二連覇のミハイル・シャドロフ選手だけでした。シャドロフ選手は、2020年の世界ジュニア選手権にも出場した選手で、ロシアで練習しています(ウルマノフ門下)。
世界ジュニア選手権も四大陸選手権も中止になりましたが、もし開催されていれば彼が代表に選ばれていたでしょう。
ところで、突然公式サイトがオープンし、ライブストリーミングで試合の様子が発信されたカザフスタン選手権ですが、これは2019年の大会での出来事も影響しているのではないかと推測します。
2019年の大会は、四大陸選手権出場経験のあるNikita Manko選手が棄権(おそらく怪我)。
エース不在の大会で優勝したのが、ジュニアグランプリにも出場したことのないミハイル・シャドロフ選手でした。
この結果に不満を持った2位の選手(2019年世界ジュニア出場)が、表彰式で他の選手や大会関係者への敬意に欠ける振る舞いをしたため、一定期間公式試合への出場停止という処分が下されました。
そして、この処分や採点をめぐって、2位の選手とカザフスタン連盟との間でちょっとしたトラブルになったようです。
そういう事情も踏まえ、2020年の大会は試合から表彰式までライブで世界中に発信することにより公平性を期したのかな、と思ったのでした。
(公式サイトもライブ発信も「Denis Ten Forever」のアカウント管理者が関わっているようでしたので、テンくんのご親戚か友人かが協力されたのでしょうね。)
なお、カザフスタンのスケート事情については、almatyfigureskatingさんのインスタが詳しいです。
https://www.instagram.com/almatyfigureskating/?hl=ja
(後編につづく)
ウィーン・フィル ニューイヤーコンサートを見ながら
1月1日といえば、ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート。
今年は無観客での開催なのですね。
音楽やバレエだけでなく、おめかしした笑顔の観客を見るのも楽しみだったのでちょっと寂しい気がします。
でも、無事に開催できて、例年通り日本からも放送を見ることができて良かったです。
ところで、ウィンナ・ワルツを聴くと、つい思い浮かべてしまうのです。
タキシード衣装を着て盛大なワルツで滑るデニス・テンくんの姿を。
2012-2013年シーズンの「アーティスト」SPの中間部分でのワルツで舞うところがとても優雅で好きだったので、いつかFPでゴージャスなワルツをやらないかなぁ、なんて期待していました。
実は、2011-2012年シーズンの鈴木明子さんのFP「こうもり序曲」が大好きでして、スケートカナダの時の演技を何度も繰り返し見た記憶があります。
あとは、ハン・ヤン選手の2013-2014年シーズンのFPでも「美しく青きドナウ」が使われていて、「いいなー、テンくんもやらないかなー」なんて思いながら見ていました。
だって、絶対に似合うでしょ、華やかなワルツ。
東洋風のお顔立ちなのになぜか西洋の舞踏会の雰囲気が似合ってしまう男、デニス・テン。
そして、今年もまたテンくんの動画を見てしまうのでした。
今年は…
あまりブログを更新しないまま、2020年が終わろうとしています。
当ブログに立ち寄ってくださった皆さま、今年もありがとうございました。
今年は…年明け早々「中国で謎の肺炎が…」というニュースをネットで見て何となく嫌な予感がし、1月から毎日マスクを着用&アルコールウェットティッシュであちこち拭きまくるという日々が始まり、何だかわからないうちに年末になってしまいました。
医療関係でも接客業でもないオフィス勤務ですが、部署の人数がとても多く密なため、仕事以外での人との接触を極力減らすようにしています。
なので、残念ながら今年はスケートの試合やアイスショーをはじめ、バレエ公演もコンサートも展覧会も全く行けませんでした。
とりあえず今は、いつかアイスショーの現地レポなどをブログに掲載することができるようになる日を心待ちにしています。
そして、こういう情勢なので、今年の年末年始休み(12/31~1/3の4日間)は帰省せず、一人で過ごしています。
ということで、ヒマな時間を利用して、今年ブログに記そうかなと思いながらも、「デニス・テン応援ブログ」なのにデニス・テンにあまり関係ないかもと遠慮していたネタや、時間がなくて後回しにしていたネタなどを取り上げてみようかと思います。
「なぜ、今この話?」なんて思うような内容のものをいきなり投稿したりするかもしれませんが、気が向いたらお付き合いください。
Almaty TV デニス・テン特別番組 放送情報(追記あり)
本日、12月19日23時(日本時間12月20日2時)から、Almaty TVでデニス・テンくんの特別番組が放送される予定です。
日本語自動翻訳 ↓
星は消えません。「Almaty」TVチャンネルでは、DenisTenを記念して「SuleUmyr」プログラムの特集号があります。
この番組、denisten_officialさんのインスタから最初に告知があったのは8月末で9月に放送予定ということでした。同じ頃、アイスダンサーのカリーナ・ウズロワさんのインスタストーリーでも収録の様子が少し見られました。
それ以来、Almaty TVのインスタをフォローしていたのですが一向に放送の様子がなく、もしかしたら「デニス・テン メモリアル チャレンジ」が中止になったのに合わせてお蔵入りになったのかも、と残念に思っていました。
もう番組のことも忘れかけていたところ、5日前、Almaty TVのインスタで番組の告知が!(フォローしておいて良かった。)
しかも、日本からもライブで見られそうです。
放送開始がカザフ時間の23時からと少々遅いですが、こちらのリンクから多分見られると思います。(もし、見られなかったらごめんなさい!)
https://almaty.tv/broadcasting
ご家族やアルマトイで一緒に練習していたスケーターなども収録に参加しているようなので、テンくんとのエピソードなどが語られるのでしょうね。楽しみです。
最近、デニス・テンくんを取り上げた番組などの情報がありながら(町田樹さんのとか)、Twitterの手軽さに甘えてブログの更新を怠っておりました。また余裕のある時に感想なども語りたいと思います。
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(2020年12月20日追記)
Almaty TV公式より動画が上がっていました。
ロシア語ですが、ロシア語わからなくても自動翻訳機能を使えば何となくわかるかと思います。
プロフェッショナルとしての意識
どんな分野でもそうだと思うのですが、技術的に長けているだけでなく、いわゆるスター性というのか、見ている人の目を引くタイプの子どもっていますよね。
テンくんの子どもの頃のスケート映像を見るとまさにそのタイプで、ショッピングモールでのショーではかなり目立ってたんだろうな、と想像してしまいます。
そんなスター性ともいうべきものがあるタイプの人とそうでない人の違いはどこにあるのかと考えてみたのですが、生来のもの(外見やセンス)に加えて、プロフェッショナルとしての意識の有無も大きいのかも、と思い至りました。
実際にプロとして活動しているかどうかは関係なく、どんな場であっても演技を披露する場を与えられたからには、プロとして観客を意識した演技をするという責任を認識している…、テンくんの演技動画を見ているとそういう強い意識を感じます。
そんなことを考えていると、思い出す出来事があります。
その昔、同じクラスの友人が通うバレエ教室の発表会を見に行った時のこと。
賛助出演のプロのダンサーに加え、他の教室から1人の少年が友情出演していました。その少年は踊りが上手いだけでなく、独特の存在感があり未来のトップダンサーという雰囲気がありました。また、カーテンコールで賛助出演のプロのダンサーと並んでも物怖じする様子もなく堂々としていたのを覚えています。
その後、その少年はバーミンガム・ロイヤルバレエのファーストソリストとして活躍するトップダンサーになったのでした。
その少年とは…、バレエファンの方ならご存知、山本康介さんです。
最近ではローザンヌ・国際バレエコンクールの解説でもおなじみですね。
話が逸れましたが、子どもの頃のテンくんもあんな感じだったのかな、と思ったのでした。
こちらは2008年世界ジュニア選手権の時の映像ですが、14歳ながらとても堂々としていて「見られている」ということを意識した演技をしているのがわかります。
この頃のテンくんをリアルタイムで観たかったなぁ…。
新シーズンに思う
フィギュアスケート新シーズンがはじまり、今季の各選手のプログラムの情報が入ってくる時期になりました。
そんな中、今季もデニス・テンくんの代表的なプログラムと同じ音楽を使用する選手の情報がちらほらと。
特に気になるのが、本田ルーカス剛史選手が"SOS d'un terrien en detresse"を、鍵山優真選手が"Vocussion"を使用するという情報。
どちらも音楽を聴けばテンくんを連想するようなテンくんの代表作。
昨季の島田高志郎選手もですが、日本の若手選手がテンくんの代表作と同じ音楽を選択するというのはなかなか感慨深いものがあります。
それにしても、新プログラム初披露までの、あのワクワクした感じ、懐かしい…。
ところで、鍵山選手の新プログラムがローリー・ニコル氏振付、という情報が流れたとき、「ローリーは女子の振付はいいんだけど、男子はイマイチでは?(デニスは例外)」というようなコメントを見かけたので、ちょっと反論を。
2014-2015シーズンのテンくんのFP「"New Impossibilties"より」("Vocussion"を含む)はローリー・ニコル氏振付で通称シルクロードプロとも呼ばれ、テンくんのパフォーマンスの良さも相まってスケート界の歴史に残る名作、と言われたりしています。
テンくんファンとしてはこのプログラムの評価の高さはとても嬉しいことなのですが、このシーズンのローリー氏の振付作品として、もう1つ推したいプログラムがあります。
それは、小塚崇彦さんの" Io ci sarò (イオ・チ・サロ)"です。
初めて見たとき「テンくんにもこういうの振付してくれたらいいのに…」とちょっと羨ましく思うとともに、「この振付は小塚選手だからこそ映える」とも思い、ローリー氏の手腕に敬服したのでした。
テンくんのシルクロードプロと小塚さんのイオ・チ・サロは、個人的に2014-2015シーズンの男子シングル名作ベスト2扱いなのですが、この2作品が同時に振付されていたというのがまた興味深かったりします。
テンくんはこのシーズン、新プログラム情報を少ーしずつ小出しにしていたので、そこからあれこれ予想するのも楽しかったなぁ。
【振付の合間に遊ぶ小塚さんとテンくん】
【新プログラムのヒント】
【新プログラムの練習風景 with キャロルコーチとグレイシー・ゴールド選手】
【シーズン最終戦! 2015年世界選手権 FP】
カザフスタン土産 雑貨編②
カザフスタン土産といえば伝統的手工芸品も豊富。
【フェルトの人形①】
たくさんの人形が並ぶお土産物店は眺めるだけでも楽しめます。民族衣装を纏った手の込んだ人形もあれば、牧歌的な雰囲気の人形も。
その中で、何だか気になって購入した羊毛フェルトで作られたこの2体。
「ゆうり」さんと「おくさな」さんと名付けています。
(雰囲気ちょっと似ていません??)
【フェルトの人形②】
このタイプのラクダの人形、どこにでも売っています。
ラクダというのが砂漠の国だな、と。
【フェルトのストラップ】
手作り感満載のストラップ。
ロバでしょうか。ゆるい雰囲気に惹かれて購入しました。
撮影するために四つ足で立たせてみたら、何だか重い荷物を引かされてるような悲しげな雰囲気になってしまいました…。
【手編みルームシューズ】
こちらの手編みのルームシューズは2017年のユニバーシアードの会場内にあったブースで購入しました。
伝統的なデザインのものが多かったのですが、こちらはスニーカーを模したデザイン。
22.5㎝の私の足にぴったりで、通気性も良く履き心地抜群です。
珍しいデザインだと思ってこれを選んだのですが、伝統的なデザインのものも買っておけば良かったと後悔しています。
「荷物が多くなるから、また今度来た時に買おう」と思って諦めたグッズの数々…、無理にでも買っておけばよかったなぁ、と思う今日この頃です。
カザフスタン土産 雑貨編①
当分旅行には行けそうもない情勢なので、気分だけでもカザフスタン~ってことで、これまでのカザフスタン旅行で買ってきたものなどを紹介しようと思います。
【マグネット(羊飼い少年)】
羊飼いの少年が描かれた、懐かしい雰囲気のマグネット。
キリッとした眉毛や愛らしい唇やえくぼなど、どこかテンくんっぽくないですか?
【マグネット(民族衣装)】
民族衣装を身に着けた人のマグネット。
男性はドンブラを弾きながら歌い、女性は民族舞踊を踊っているようです
(よく見ると口元がちょっと怖い…。)
ガイドさんによると、カザフスタンの家庭では冷蔵庫にお土産物などのマグネットを貼りまくるのが定番だそうで、「僕の家の冷蔵庫にもマグネットいっぱい貼ってる」と。
ちなみに、わが家の冷蔵庫にもこのマグネットを貼っています。
これに気づいた来訪者から「カザフスタン?行ったの」と言われたので、テンくん目当てに行ったことを説明すると「デニス・テン?知ってる!可愛い顔の人でしょ」と言われたこともありました。
飾りとしてだけでなく、インパクトがあるので話のネタとしても役立ちます。
【タンブラー(スターバックス)】
表側は首都ヌルスルタンの名所バイテレク、裏側には遊牧風景が描かれています。
ちなみに、このタンブラーには「みきゃん」のペットボトルカバーがジャストフィット。
生地は今治タオルで丈夫(すでに50回以上は洗濯しています)。
胴体部分を折りたたんで顔の部分に収納できる優れものです。
あ、カザフスタンじゃなくて、愛媛産ですが。
こちらもスターバックスで購入。
タンブラー同様バイテレク近郊の風景が描かれています。
もう1つ違うタイプのマグカップがあったのですが、私の前で売り切れてしまいました…。
冒頭でご紹介した2タイプのマグネットはどちらもアルマトイ空港のお土産店で購入しました。空港のお土産店での雑貨探しの時間も楽しい思い出です。
今度こそ放送される?J SPORTS アーカイブ
J SPORTSで放送されている「ISUフィギュアスケートアーカイブ」シリーズですが、これまでのところデニス・テンくんは放送されていません。
想定内です😅
テンくんは放送カット率高いので。
そのおかげでしょうか、海外観戦で仲良くなった方(日本選手全員応援タイプの方)から「テンくんってグランプリシリーズには出ないよね?」なんて言われたり…。
平昌五輪ツアーの帰りの便で話をした日本の選手ファンの方にデニス・テンのファンだと言ったところ、「…どちらの国の方?」と言われたこともありました…。(フリーに進めなかったこと以上にショックでした。)
でも、今度は放送されるはず!
次回第8弾は「2013年 世界選手権 男子シングル」ですから!
テンくんがショート2位、フリー1位、総合2位と大活躍した大会です。
プログラムはショート・フリーとも「アーティスト」。
お見逃しなく!
《J SPORTS 4》
2013年 世界選手権 男子シングル
放送日:2020年8月9日 (日) 午後 6時 30分~午後 8時 30分
2020年8月15日(土) 午後 1時 30分~午後 3時 30分(再放送)