2017世界選手権終わりました
世界選手権終わりました。
冬季アジア大会のあと、どの程度調整できているのか不安でしたが、ショートでは大きなミスもなく無事に滑り終えて一安心。しかし、フリーでは登場した瞬間から顔色が悪く、ジャンプもなかなか決まらず。
テンくんのジャンプはきれいに決まるか、豪快に転倒するかのどちらかのパターンが多いのですが、今回は着氷後崩れ落ちるような感じでいつもと何かが違うような。
それでも何とかフリーを終え、最終結果は16位でした。
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カザフスタンのメディアによると、フリーの前日に怪我をしていたそうです。でも、オリンピックの枠取りのために棄権せずに出場した、とのこと。
できれば、2枠取りたかったところでしょうが、1枠だけでも確保できてよかったです。ここで取れなければ、来季早々に開催されるネーベルホルン杯に出場しなければいけなくなりますから…。
さて、今回演技後にテンくんへ投げ込まれた大きなぬいぐるみ(抱き枕?)が話題になっていたようです。特に「ユーリ!!! on ICE」のファンの一部の方が「勇利のぬいぐるみでは?」と誤解をされていたようなので、ちょっと訂正。
このぬいぐるみは海外のデニス・テンくんファンの方のお手製で「勇利」モデルではなく「テンくん」モデルです。衣装は3作目(ユニバーシアード・アジア大会で着用)のもの。
ついでにもう1つ訂正。
フジテレビの放送でテンくんの紹介文に「カザフの英雄」というフレーズがあり、「ユーリを意識してるのでは?」と思われた方も多かったようですが、「カザフの英雄」のキャッチフレーズはオタベックよりテンくんの方が先です。フジテレビの放送では、多分2015年の四大陸か世界選手権の頃からこのフレーズが使われていたと思います。
波乱万丈の今シーズンもとりあえず終わりました。
来季も素敵なテンくんの演技が見られることを期待します。
2017世界選手権スケジュール・エントリー情報
世界選手権が近づきました。
今年はフジテレビさんの宣伝が例年に比べて控えめなせいか、まだ先だという感じがしていましたが、今週ですね。
スケジュールはこちら↓
http://www.helsinki2017.com/event/schedule
※時差は6時間(日本時間マイナス6時間→ヘルシンキ時間)
エントリーはこちらからご確認ください。↓
カザフスタンの競技ダンスの選手たちがインスタグラムにUPしていた写真によると、デニス・テンくんはモスクワからヘルシンキに向かっているようです。
(追伸:ダンスの選手たちはイタリア行きだったようです。なお、モロゾフコーチがヘルシンキに到着しているようなので、テンくんも到着しているでしょう。)
ちなみにカザフスタンからは女子シングルのエリザベート・ツルシンバエワ選手も出場します。(男子も1枠なのでアブザル選手は残念ながら出場しません。)
出場選手みなさん無事に到着していい演技ができますように。
ジョシュ・グローバン 3部作
先週開催されていた世界ジュニア選手権はジュニアとは思えないハイレベルな試合でした。以前から密かに応援していたドミトリー・アリエフ選手が、ショート・フリーともまとめて2位になったのが個人的には嬉しいです。(昨年はフリーで崩れちゃったので。。。)
男子フリーは23番滑走のチャ・ジュンファン選手と最終のアリエフ選手、2人続けてジョシュ・グローバンの曲を使っていました。
ジョシュの曲使ったプログラム多いですね。で、あまりハズレがないように思います。イヴァン・リギーニ選手のSP「You Raise Me Up」も印象的で盛り上がりるプログラムです。
ジョシュ・グローバンといえば、デニス・テンくんもエキシビションでよく使っています。
既に当ブログで「ニュー・シネマ・パラダイス」と「Mi Mancherai」 は紹介しましたが、今回は改めて3部作まとめてご紹介します。
【2011 スケートアメリカ EX】
このプログラムは何度見ても感動的。躍動感あふれすぎて、勢い余って尻もちついちゃいますが、そんな青い感じも今見ると逆に新鮮。振付はステファン・ランビエール氏。
2.Per Te
【2013 国別対抗戦 EX】
(ミュートされていないものはこちら↓)
国別対抗戦のエキシビションにゲスト出演した時のものです。1.のスケートアメリカの時から1年半ほどしか経っていませんが、随分大人になりました。シンプルな振付なので、スケーティングの良さと洗練された身体の使い方をじっくり見ることができます。ちなみに、デニス・テンくん自らの振付です。
3.Mi Mancherai
【2014 All That Skate】
【2014 スケートアメリカ EX】
2.の国別の時から1年~1年半、完全に大人になりました。当時20~21歳ですが、すでに人生の悲哀を色々経験したかのような演技です。振付はこれもステファン・ランビエール氏。
あらためて3部作を続けて見ると、テンくんの急激な成長ぶりに驚きます。
そして、ジョシュ・グローバンの歌声とテンくんのスケートはとても相性がいいように思います。また、ジョシュの曲で滑るテンくんも見てみたいです。
カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり⑦
ソチオリンピックで銅メダルを獲得し、国民的英雄となったデニス・テンくんは前年に続き、豪華メンバーを集めたアイスショーをアルマトイとアスタナで開催しました。
日本からも浅田真央選手・高橋大輔氏が出演するということで日本でも話題になりました。
【その他出演者(敬称略)】
ステファン・ランビエール、タチアナ・ヴォロソジャル&マキシム・トランコフ、カロリーナ・コストナー、ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ、ジョアニー・ロシェット、エヴァン・ライサチェック、タチアナ・トトミアニナ&マキシム・マニリン、長洲未来、ブライアン・ジュベール、エラッジ・バルデ、Vladimir Besedin - Alexei Polishyuk、アレクセイ・ヤグディン(←シークレットゲスト)
"Denis and Friends" — Ice Show
http://www.absoluteskating.com/index.php?cat=articles&id=2014denistenfriendsその
(↑各出演者の素敵な写真もあります。)
ショーのチケットは完売。収益金はカザフスタンのスケート振興と難病の孤児の手術費用に充てられると発表されました。
ショーの後にはジュベール氏・ヤグディン氏とともにカザフスタンのスケーターのためのマスタークラスを開催。
さらに、これまで稼いだ賞金や出演料などをもとに、カザフスタンの後輩スケーターの奨学金制度を設立。
カザフスタンスケート界の発展に力を尽くすテンくん、当時20歳。
さて、オリンピックメダリストとして臨んだ2014-2015年シーズン。
世界選手権とオリンピックのメダリストなのに、これまでなぜかGPシリーズでのメダルがありませんでしたが、2戦目のGPシリーズ フランス杯で3位になり、ようやくGPシリーズの表彰台に立つことになりました。
そして、2015年四大陸選手権。ショート・フリーとも圧倒的な演技で2位以下に大きく差をつけての優勝。
カザフスタンで初めてのISUチャンピオンシップでの金メダルを獲得しました!
【2015年四大陸選手権 SP「カルーソ」】
【2015年四大陸選手権 FP「十面埋伏」( New Impossibiltiesより)】
【2015年四大陸選手権 表彰式】
オリンピック銅メダル~四大陸選手権金メダルのこの時期以降、「カザフスタンの英雄」の呼び名が定着し、試合の放送などでテンくんを紹介するときに使われるようになりました。
https://www.instagram.com/p/zFtq2Su434/?taken-by=tenis_den
「カザフスタンの英雄」と呼ばれるのは、オリンピックメダリスト、カザフスタンフィギュアスケート界のパイオニアというだけでなく、カザフスタンという国を背負って国際大会に臨む姿勢、そしてカザフスタンのスケート界の発展に尽くす姿といったところも含めてのことだと思います。
「今は自分のためではなく、(略)自分をサポートしてくれる両親やファン、カザフスタンの関係者を喜ばせるために滑っているんです。」と言うテンくんをこれからも応援していきます。
デニス・テン選手|2014-2015シーズン インタビュー|キヤノン・ワールドフィギュアスケートウェブ
(カザフの英雄誕生までの道のり」シリーズはとりあえずここで終了~)
カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり⑥
2013年世界選手権で銀メダリストとなったデニス・テンくん。
フィギュアスケートがメジャーでないカザフスタンでもテンくんの活躍は注目され、たびたびメディアに登場するようになりました。
(以前に取り上げたTV番組とCMも2013年に撮影されたものです。↓)
デニス・テン フィギュアスケート教室(2013) - デニス・テン応援ブログ
シーズンオフには地元アルマトイで後輩スケーターのためのマスタークラスを開催。
また、アリ・ザカリアン氏の提案によりアイスショーも開催。
この第1回目の ‟Denis Ten and Friends”は、カロリーナ・コストナー、イリーナ・スルツカヤ、ステファン・ランビエール、ブライアン・ジュベール、トマシュ・ベルネル、ネッリ・ジガンシナ&アレクサンダー・ガージ(以上敬称略)等ヨーロッパ・ロシア圏のスケーターをゲストに迎えて行われました。
「ユーリ!!! on ICE」に出てくるタイのピチット選手の夢は、「友人スケーターを招いてタイでアイスショーを開催すること」というくだりで、この ‟Denis Ten and Friends”を思い出した方もいるでしょう。フィギュアスケートが盛んでない国出身スケーターの共通の夢なのかもしれません。
ちなみに、このショーは出演者へのオファーや航空チケットやホテルの手配など全てテンくんとご家族が行っていて、収益金はカザフスタンのスケート振興の資金に充てられているそうです。
https://www.instagram.com/p/ZpPd4su41M/?taken-by=tenis_den
(豪華ゲストの中、一人紛れ込んでいる少年のようなテンくんが、このショーの主催者です。。。)
https://www.instagram.com/p/Z0N-gvu456/?taken-by=tenis_den
【2013‟Denis Ten and Friends”より‟Warriors of Kazakhstan”】
さて、2013-14年オリンピックシーズンに突入。前シーズン世界選手権メダリストとなりオリンピックメダル候補にも名前が上がるようになったにもかかわらず、GPS1戦目のスケートアメリカを怪我と病気で欠場。2戦目の中国杯は出場し4位、続けてB級2試合とも優勝したものの、再び怪我と靴の故障でユニバーシアードを欠場。
怪我が完治しないまま出場した四大陸選手権では4位。
その時のインタビューでは「今シーズンは災難つづきでオリンピックに出られることだけが救い」と言っていました。
そして迎えたソチ・オリンピック。
ショートは9位。
メダル争いからは圏外になったかと思われましたが…フリーで大逆転、銅メダル!!
カザフスタンのフィギュアスケートで初めてのオリンピックメダリストとなりました。
【2014Olympics FP「お嬢さんとならず者」】
また、ソチ・オリンピックでのカザフスタン唯一のメダルでもあったため、カザフスタン国内はテンくんの銅メダル獲得のニュースで盛り上がりました。
【帰国を報じるカザフスタンのニュース動画】
「デニス・テンの歌」まで作られました。
【КОТэ—Это Денис!】
女性の皆さんへのメッセージ ~国際婦人デーに寄せて
3月8日は国際婦人デーだそうです。
日本ではあまりなじみがありませんが、欧米・旧ソ連地域などではメジャーなようです。もともとは婦人参政権を主張したデモをきっかけに提唱されたという、政治性の強い記念日だったようですが、現在旧ソ連地域では単に女性を讃える日となり、男性が女性に花束を贈るのが習慣となっているそうです。
ということで、今年もテンくんから女性へのメッセージが公開されました。
https://www.instagram.com/p/BRWby7Xl72k/
詩的な文章に、なぜこの写真?
Twitterでも懐かしい写真とともにメッセージが公開されました。
(だから、なぜこの写真???)
https://twitter.com/Tenis_Den/status/839217547383877632
インスタストーリーでは、ロシア語で誉めるときに使う形容詞をひたすら呟いて女性を賛美しています。(denisten_officialさんが動画を上げてくださっています。↓)
https://www.instagram.com/p/BRXoBfeDZtq/?taken-by=denisten_official
ちなみに、昨年は花束を抱えた正統派テンくんの写真付きでした。
https://www.instagram.com/p/BCr__LOu46i/
3年前のテンくんは、メデウで開催された婦人デーのイベントにゲストとして参加していました。(その時の動画はこちら↓)
トークのあと、テンくんから観客の女性にプレゼントが贈られると発表されると、プレゼントを持ったテンくんめがけて女性が集まってきてハグしたり写真を撮ったり…。
(他局の動画では、走ってきた女性二人がぶつかってコケるシーンもありました。)
日本ではなかなか見られない光景ですが、なんだか楽しそう。
以来、毎年婦人デーと聞くと、この動画を思い出すのでした。
カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり⑤
2012年世界選手権で過去最高7位となり、さらなる飛躍が期待された2012-2013年シーズンのプログラムは、ショートもフリーも「アーティスト」。移動中に機内で見た映画「アーティスト」の曲が気に入り、テンくん自ら提案。
当時、ショート・フリーとも同じテーマというのは画期的な試みで、王道を好むフランク・キャロルコーチを説得するのが大変だったとか。
シーズン初めの試合はネーベルホルン杯。コーチの代わりにステファン・ランビエール氏が帯同したことでちょっと話題になりました。
【2012年 ネーベルホルン杯SP】
が、ショート4位で発進するも最終結果は7位。
このシーズンは足首の怪我で思うような試合ができず、特に大阪で開催された四大陸選手権では過去最低順位の12位に終わりました。
ところが、その約1か月後の世界選手権で、ついに来ました、デニス・テン史に残る名演技!
演技開始前からとても落ち着いた雰囲気。1つ1つエレメンツを確実に決めていきショートはノーミス91.56点というPBを大幅に更新するスコアで、パトリック・チャン選手に次いで2位。
【2013年 世界選手権 SP】
フリーではわずかなミスはあったものの、観客を引き込む演技で場内スタオベ!
フリーは174.92点、合計266.48点といずれもPBを大幅に更新し、2位!!
初めて世界選手権の表彰台に立ちました✨
そして、これがカザフスタン史上初のISUチャンピオンシップスでのメダルの獲得となりました。
【2013年 世界選手権 FP】
ちなみに、このプログラムは映画「アーティスト」のストーリーを忠実に再現しているので、ぜひショート・フリー通してご覧ください。
(個人的には、この「アーティスト2部作」がこれまでの競技プロでは一番のお気に入りです。)
【2013年 世界選手権 表彰式】
冬季アジア大会 雑感
冬季アジア大会、終わりました。
テンくんの結果は…ご存じない方はリザルトページからご確認ください。
動画も痛々しいので、あえて貼りません。
ユニバ―シアードの後、取材等で忙しそうだったし、モロゾフ氏も四大陸選手権へ行っていたりで、あまり練習できていないんじゃないかという予想はしていましたし、テンくんは日本の試合と非常に相性が悪いので、表彰台は厳しいかな、とは思っていましたが…予想を大幅に超える残念な結果となってしまいました。
おそらく多くの方がテンくんのことを心配したと思いますが、そんな空気を察したのか、その日のうちにインスタグラムを更新。
https://www.instagram.com/p/BQ-n8zglKnS/?taken-by=tenis_den
応援してくれているファンへのお礼と世界選手権に向けて前向きなメッセージを掲載してくれました。
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さて、今回現地で観戦して、声を大にして言いたいこと、それは、
「デニス・テンは生で見るべし!!」
公式練習で他の選手たちと出てきた瞬間から、とても目立ってました。動作が優雅で綺麗。何だかオーラがすごい✨謎の大物感。そしてとても綺麗なスケーティング。
以前、村上大介選手が「デニスのスケーティングは滑らかでずっと見ていたくなる」という趣旨のことを語っていましたが、その通りでした。
まだ見たことがない方は、ぜひ生のデニス・テンくんを見に現地へ行ってみることをお勧めします。
冬季アジア大会 スケジュール・ライスト・テレビ放送予定
デニス・テンくん出場予定の冬季アジア大会、男子シングルは宇野昌磨選手、無良崇人選手、ボーヤン・ジン選手、ハン・ヤン選手、ミーシャ・ジー選手などもエントリーされています。
エントリーやリザルトはこちらで確認できます。↓
競技結果(リザルト結果) - 2017冬季アジア札幌大会 - 2017SAPPORO ASIAN WINTER GAMES
【スケジュール】
23日15:10~アイスダンスSD
23日16:50~女子SP
24日14:20~ペアSP
24日16:05~アイスダンスFD
24日18:05~男子SP
25日15:00~ペアFP
25日17:00~女子FP
26日12:00~男子FP
26日18:00~閉会式
フィギュアスケート - 2017冬季アジア札幌大会 - 2017SAPPORO ASIAN WINTER GAMES
公式ライストはこちらから。↓
2017 冬季アジア札幌大会 SAPPORO ASIAN WINTER GAMES
冬季アジア大会公式サイトの「配信スケジュール」に記載されている競技名をクリックするとライストにつながります。
NHKBS1でも放送されるようです。
放送スケジュールはこちらから。↓
カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり④
アジア大会前ですが、空気を読まず、久しぶりに「デニス・テンに歴史あり」のつづきです。(本当はユニバーシアード前に終わらせるつもりだったのですが…。)
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2011年アジア大会では優勝したものの、世界選手権では過去最低順位の14位。スランプ状態から脱出できないまま2010-2011年シーズンは終了しました。
しかし、翌シーズンGPシリーズは2戦とも5位と好発進。
この時期のテンくんの演技は、今の表現スタイルの原点が見えてとても興味深いです。
【2011年スケートアメリカ EX 「ニュー・シネマ・パラダイス」】
www.youtube.com当時のテンくんの雰囲気や能力を目一杯生かしたこのプログラムはステファン・ランビエール氏の振付。身体全体をつかって一生懸命演技している姿が感動的。こういう時期があって今の洗練された演技があるのか、と思うと感慨深い。
このシーズンは再びジュニア・シニア掛け持ち。多忙な試合日程にもかかわらず、四大陸選手権では6位、世界ジュニア選手権では4位、世界選手権では過去最高の7位。
新しい環境にも慣れ、スランプ時期から脱出への光が見えてきました。
【2012年世界選手権 FP「アディオス・ノニーノ(振付ローリー・ニコル)】
(スコアを見て驚くキャロルコーチ&クールなテンくん。)