デニス・テンとNHK杯
NHK杯が終わりました。
今回のNHK杯には、デニス・テンくんがフリープログラムを振り付けした選手であり、昨年の優勝者でもあるロシア代表セルゲイ・ヴォロノフ選手が出場していました。
ショート・フリーとも最終滑走というプレッシャーのかかる場面ながら、冷静かつ気迫に満ちた力強い演技で見事2位!
毎試合、テンくん振付作品を丁寧に演じてくださるヴォロノフ選手に感謝。
さて…NHK杯と相性の良いヴォロノフ選手とは対照的に、テンくんは日本の大会とは相性が悪く、過去1度出場した2010年のNHK杯も最下位という結果でした…。
この時期のテンくんといえば、練習拠点をロシアからアメリカへ変更。そこへ成長期が重なったこともあり、なかなか思い描く演技ができずにもどかしいことも多かったことでしょう。
戦績的には「低迷期」と表現されてしまうかもしれない時期ですが、新たな道を自ら切り開いている真っ最中ともいえます。
このシーズンのショートプログラムはピアソラ「ブエノスアイレスの春」、ステファン・ランビエール氏振付。
出てきた瞬間、前シーズンに比べて随分大人っぽく落ち着いた雰囲気になっているのに驚きます。そして、振付もテン君の身のこなしもとってもランビエール風味です。
フリープログラムはリスト「死の舞踏」、ローリー・ニコル氏振付。
これはなかなか大きな宿題を課したな、という印象のプログラム。振付をこなすのに精いっぱいでテンくんにしては動きが粗いですけど、それもまたこの時期ならではの魅力。どんな時でも堂々としていてまっすぐ前に向かって進む、それがデニス・テン。