踊るスケーターになるまで
デニス・テンくんのスケートの特色である「踊りの上手さ」について、2013年アイスチャレンジの動画をもとに語ってきましたが、このシーズンの演技をあらためて見てみると、前シーズンまでに比べてダンススキルが格段に上がっているのに気づきました。
いや、それまでも十分上手かったんです。
フィギュアスケートに求められるレベルで、ではなく、もっと高い次元で。
そもそも、テンくんは踊りのセンスをいかにして身に着けたのでしょうか?
踊りのセンスというのは生まれつきによるところも大きいのですが、子どもの頃に受けた教育や環境も大きく影響するように思います。
テンくんが幼少時にバレエレッスンを受けている様子を見ると、ある程度本格的な指導を行う教室でレッスンを受けていたことがわかります。
さらに、音楽学校に通っていたことから、オペラやミュージカルの舞台に出演したこともあったようです。実際に舞台を経験しているというのは、大きいですね。
また、自宅の近くにはオペラハウスもありますし、お母さまが元バイオリニストですから舞台を見に行くこともあったでしょう。
こういった環境がテンくんの「見せ方の上手さ」に影響したのかもしれません。
そんなテンくんですが、2013年以降、ダンススキルが格段に上がっています。また、身体を使った表現の仕方も少し変わってきています。
どんな練習をしたのか気になっていたところ、2014年のキヤノンのインタビュー記事でテンくん自ら語っていました。
バレエだけでなく「ならず者」の踊りが難しいので、ダンスレッスンもやりました。
多くの選手が確実に点数を得るために過去のプログラムを選択するオリンピックシーズンに、あえてこれまでとはイメージの違うプログラムを選択し、さらにダンスレッスンに力を入れていたとは。
メダルや点数より、自分の目指すスケートをすることに重点を置いているのがテンくんらしいですね。
その成果でしょうか、この頃からテンくんのスケートはより洗練され、「雄大さ」、「優雅さ」、「優しさ」を表現できるスケーターへと成長したように思います。
そんなテンくんのソチ・オリンピックの時の演技をSP、FP続けて 見られるサイトを今さらながら発見しましたので、ご紹介します。テンくんの踊りの上手さにも注目してご覧ください。
【Olympic Channelより】