デニス・テンとフランス杯
グランプリシリーズを振り返るシリーズ、今回はデニス・テンくんが2014年から4年連続で出場したフランス杯。(正確には、2014、2015年はエリック・ボンパール杯、2016年はフランス杯、2017年はフランス国際、と若干名称が変わっていますが、とりあえずここでは汎用的なフランス杯という名称を使用します。)
テンくんとはとても相性のいい大会で、2014年には3位、2016年には2位になっています。
2015年には大会開催中にパリでテロ事件が起こり、フリーとエキシビションが中止になる、ということもありました。その時に、誰よりも早く―大会関係者や現地に行っていたメディアよりも早く、大会中止をTwitterで皆に知らせたのはテンくんでした。また、事件の一報を聞いてすぐにフランス国内にいるカザフスタン人に向けて大使館の連絡先をTwitterで知らせていました。自分自身も不安だったはずなのに。
さて、今回はいつも以上にどの年のものを紹介するかとても悩みました。で、1つに絞れないので今回は2014年と2016年の時のものをご紹介します。
まずは、2016年。ショートは「ロミオとジュリエット」、フリーは「トスカ」。振付はニコライ・モロゾフ氏。
振付もですがコーチもモロゾフ氏になっているのが驚きでした。が、これを見て自分は、テンくんは平昌以降も現役を続ける意思があるんだな、と確信したのでした。
ショートは3Aのあとの怒涛のステップが見どころですが、個人的には音楽に合わせたジャンプのタイミング、特に3Lz-3Tが絶妙で、密かに一番の見どころだと思っています。フリーも手堅くまとめ、総合2位!
表彰式にはブライアン・ジュベールさんがプレゼンターとして登場したこともあり、3人ともとても楽しそう。
つづいて、2014年。ショートは「カルーソ」 、フリーは当ブログで何度も紹介しているシルクロードプロです。振付はローリー・ニコル氏。
ショートはノーミスでPB更新。グランプリシリーズでショート1位はテンくん史上初。
演技も最高ですが、お揃いの衣装を着たテッドに喜ぶ姿がとても可愛いのでキスクラでの様子にも注目。
フリーは冒頭でGOEプラス2の4T-3Tを決めたものの、あとは崩れてしまい、結果総合3位。とはいえ、初めてのグランプリシリーズでのメダル獲得。
ところで、今さら気づいたんですけど、フリーの時のキャロルコーチのネクタイはテンくんの衣装に合わせたかのような模様ですね。キャロルコーチはよく生徒の衣装に合わせたコーディネイトされてましたから、多分これも合わせたんでしょう。生徒へのさりげない優しさがいいですね。
そして、表彰式。
コフトゥン選手がデジタル国旗掲揚を見て苦笑い。町田樹さんもテンくんも笑うのを我慢しているような表情なのが面白い。青色で統一されたバナーのリンクに青系の衣装の3人が並んだ表彰式でした。
エキシビションはジョシュ・グローバン「Mi Mancherai」、振付はステファン・ランビエール氏。
何というか、もうこれは美しいの一言ですね。美しいけど力強い。
デニス・テンの演技はやっぱりどれも最高。