カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり⑥
2013年世界選手権で銀メダリストとなったデニス・テンくん。
フィギュアスケートがメジャーでないカザフスタンでもテンくんの活躍は注目され、たびたびメディアに登場するようになりました。
(以前に取り上げたTV番組とCMも2013年に撮影されたものです。↓)
デニス・テン フィギュアスケート教室(2013) - デニス・テン応援ブログ
シーズンオフには地元アルマトイで後輩スケーターのためのマスタークラスを開催。
また、アリ・ザカリアン氏の提案によりアイスショーも開催。
この第1回目の ‟Denis Ten and Friends”は、カロリーナ・コストナー、イリーナ・スルツカヤ、ステファン・ランビエール、ブライアン・ジュベール、トマシュ・ベルネル、ネッリ・ジガンシナ&アレクサンダー・ガージ(以上敬称略)等ヨーロッパ・ロシア圏のスケーターをゲストに迎えて行われました。
「ユーリ!!! on ICE」に出てくるタイのピチット選手の夢は、「友人スケーターを招いてタイでアイスショーを開催すること」というくだりで、この ‟Denis Ten and Friends”を思い出した方もいるでしょう。フィギュアスケートが盛んでない国出身スケーターの共通の夢なのかもしれません。
ちなみに、このショーは出演者へのオファーや航空チケットやホテルの手配など全てテンくんとご家族が行っていて、収益金はカザフスタンのスケート振興の資金に充てられているそうです。
https://www.instagram.com/p/ZpPd4su41M/?taken-by=tenis_den
(豪華ゲストの中、一人紛れ込んでいる少年のようなテンくんが、このショーの主催者です。。。)
https://www.instagram.com/p/Z0N-gvu456/?taken-by=tenis_den
【2013‟Denis Ten and Friends”より‟Warriors of Kazakhstan”】
さて、2013-14年オリンピックシーズンに突入。前シーズン世界選手権メダリストとなりオリンピックメダル候補にも名前が上がるようになったにもかかわらず、GPS1戦目のスケートアメリカを怪我と病気で欠場。2戦目の中国杯は出場し4位、続けてB級2試合とも優勝したものの、再び怪我と靴の故障でユニバーシアードを欠場。
怪我が完治しないまま出場した四大陸選手権では4位。
その時のインタビューでは「今シーズンは災難つづきでオリンピックに出られることだけが救い」と言っていました。
そして迎えたソチ・オリンピック。
ショートは9位。
メダル争いからは圏外になったかと思われましたが…フリーで大逆転、銅メダル!!
カザフスタンのフィギュアスケートで初めてのオリンピックメダリストとなりました。
【2014Olympics FP「お嬢さんとならず者」】
また、ソチ・オリンピックでのカザフスタン唯一のメダルでもあったため、カザフスタン国内はテンくんの銅メダル獲得のニュースで盛り上がりました。
【帰国を報じるカザフスタンのニュース動画】
「デニス・テンの歌」まで作られました。
【КОТэ—Это Денис!】