冬季ユニバーシアード2017情報 ~フィギュアスケート出場選手
冬季ユニバーシアードフィギュアスケートのエントリーが発表されました。
https://almaty2017.com/results
【女子シングル 33名】
女子は、ロシアからエリザベータ・トゥクタミシェワ選手・エレーナ・ラジオノワ選手・アリョーナ・レオノワ選手と世界選手権メダリストが3名出場。日本からは木原万莉子選手、新田谷凜選手、磯邉ひな乃選手。その他、ロベルタ・ロデギエーロ選手(イタリア)やミハル妹さんことエリシュカ・ブレジノワ選手(チェコ)など。
【男子シングル 36名】
男子は、カザフスタントップ3が出場。ミハル・ブレジナ選手(チェコ)、イヴァン・リギーニ選手(イタリア)、アレクサンデル・マヨロフ選手(スウェーデン)、イワン・パブロフ選手(ウクライナ)らは欧州選手権からの連戦。日本からは田中刑事選手、日野龍樹選手、川原星選手、ロシアからはアルトゥール・ドミトリエフ選手、アンドレイ・ラズキン選手、アントン・シュレポフ選手。その他、キム・ジンソ選手(韓国)、ロマン・ポンサール選手(フランス)、シモン・オコー選手(フランス)など。
【アイスダンス 26名(13組)】
エントリーが個人別に記載されているのでとてもわかりづらいです…。
ロシアのイリニフ&ジガンシン組が出場しないことになったため、スタビツカヤ&バギン組が出場。
国内選手権が先週だったアメリカとカナダからのエントリーがないため、欧州圏の選手が多い印象です。欧州選手権や四大陸選手権と連戦となる選手もいますが、各選手ともいい演技ができますように。
カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり③
2010年、ロシアからアメリカへ拠点変更したデニス・テンくん。
住むところも決まらないままお母さんと移住し、練習に通うのも大変だったとか。
そんな環境の変化と成長期が重なり、思うように結果が出せない時期が続きました。
NHK杯では最下位、スケートアメリカではフリーで5回転倒し11位。
コーチ・拠点変更にともない、振付師もこれまでのタチアナ・タラソワから変更。2010-2011年シーズンのSPはステファン・ランビエール初の振付作品。FPはローリー・ニコル。以後、競技プロは2015-2016年シーズンまでローリー・ニコル振付が続きます。
【2010年NHK杯 SP「ブエノスアイレスの春」】
(急に大人になったテンくんとちょっと若いキャロルコーチ。)
なかなか結果が出ない時期でしたが、2011年カザフスタンで行われた冬季アジア大会では地元観客の大声援を受け優勝。フィギュアスケートが盛んではない国なのに、観客も多く盛り上がっているのが動画でもわかります。
【2011年冬季アジア大会 FP「死の舞踏」(リスト作曲)】
地元の大会で優勝したことで、知名度もUP。女性ファンも一気に増えたとか。
英雄に一歩近づいたテンくんでした。
(↓金メダルを大統領にお見せするテンくん。)
カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり②
2009年世界選手権で15歳ながら8位となったテンくんは、2009-2010シーズンからGPシリーズに参戦。2月にはオリンピックにも出場しました。
【2010年バンクーバーオリンピック SP 「Sing!Sing!Sing!」】
唇荒れてるけど笑顔のテンくん16歳。リップクリームをあげたい視聴者が多発したとか。
それ以外にも四大陸選手権・ジュニア&シニア世界選手権等シーズン中計9試合に出場するというハードなシーズンでした。
(このシーズンについては既述もご覧ください。↓)
このシーズンの後、テンくんはロシアからアメリカへと拠点を変更。
テンくん自身は「レベルアップするために環境を変えたかった」と過去にインタビューで語っていましたが、ソチオリンピックに向けてロシアで指導を受ける他国の有力選手を排除する動きがあったという噂も。
真相はわかりませんが、世界選手権の時には既にブイアノワコーチが帯同していないことからシーズン中に拠点変更の話は進んでいたものと思われます。
翌2010-2011年シーズンからはLA拠点でフランク・キャロルコーチの指導を受けることになりました。
(つづく)
冬季ユニバーシアード2017情報 ~フィギュアスケート日程
デニス・テンくん出場予定のユニバーシアードのフィギュアスケートの日程は、公式サイトによると次の通りです。
2月1日 14時30分~ 女子シングルSP
2月2日 14時30分~ アイスダンスSD
2月2日 17時~ 女子シングルFP
2月3日 14時50分~ 男子SP
2月4日 14時~ おそらくアイスダンスFP(←カテゴリーの記載漏れ〔英字サイト〕)
2月4日 17時~ 男子FP
2月5日 17時~ エキシビション
(上記記載はアルマトイ時間。日本時間は+3時間)
ちなみに、カザフスタンからはテンくん以外にも、アブザル・ラキムガリエフ選手のほか、ジュニアGPにも出場したパニヒン選手、マムベコワ選手、シェベレワ選手、アディハノワ選手が出場予定です。
【ユニバーシアード出場選手についての記事(inform.kz)】
カザフの英雄誕生までの道のり~デニス・テンに歴史あり①
デニス・テンくんが次に出場する試合はユニバーシアード(予定)。
それまで目新しい情報がなさそうなので、改めてテンくんの歴史を動画とともに振り返ってみることにします。
5歳の時にアルマトイのリンクでスケートを習い始めたテンくん。当時は屋外のリンクしかなく極寒の中ズボンを3枚重ねて練習していたとか(2013世界選手権プレカンでの発言)。のちにショッピングセンターに新設されたリンクへ移動。
スケート以外にも空手、テコンドー、テニス、水泳、アクロバット等も習い、また音楽学校にも通っていた。
その後、10歳の時にロシアのCSKAへ。タラソワやブイアノワの指導を受ける。
2008年JGPゴールデンリンクスで優勝。カザフスタンに初めてISU主催競技会のメダルを得た。
(詳しくは、https://en.wikipedia.org/wiki/Denis_Tenなどをご覧ください。)
カザフスタン選手として初めてのJGP優勝、JGPファイナル出場。2009年世界ジュニア選手権では4位。
そして、世界選手権出場。当時15歳。
ショートは良演技ながら17位と評価が低かったものの、フリーは観客を総立ちにさせる熱演で6位。総合8位で翌年のオリンピック・世界選手権の2枠も獲得。
何度見ても感動的なテンくんのシニアワールドデビューの演技をご覧ください。
【2009年世界選手権FP ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」】
おそらくテンくん目当ての観客はほぼいなかったであろうアウェーの会場で観客をスタオベさせたテンくん。
演技後、氷にキスする姿にさらに盛り上がる観客。
ブイアノワコーチとカザフスケ連のグスコフ氏とともに初々しいテンくん。
以上、15歳衝撃のシニアワールドデビューでした。
(つづく)
テンくんからのメッセージ
新年早々トレーニング中のテンくんからご挨拶。
Встречаю НГ в тренажерном зале. Всех с наступающим 2017! :)
https://www.instagram.com/p/BOsJtkpl4A3/?taken-by=tenis_den
さらっとしたご挨拶です。
そういえば、テンくんってファンからの応援やプレゼントには丁寧にお礼を言うけど、「応援(・支援)をお願いします」と言うのは聞いたことがないような気がします。
昨季世界選手権のあとのインタビュー記事では、ファンへのメッセージとして次のように話していました。
「僕を応援し続けることは、時として大変なのではないかと申し訳なく感じます。僕はロボットみたいにいつもやるべきことをやるタイプのスケーターでもないし、僕の人生はまるでローラーコースターみたいだから。だからこそ、僕と一緒にいてくれることに感謝をしています。(略)僕は、僕のファンの皆さんがいつも幸せで、お互い力になるような存在でいたいと願っています。」(扶桑社「フィギュアスケートLife vol.6」71頁※)
「これからもずっと応援よろしくね」なんて言わない、そんなテンくんをこれからも応援していこうと思います。
(※この記事はテンくんファンには超おすすめです。興味のある方は購入してお読みください。)
オタベックが気に入ったらしいテンくん
2016年も残すところわずかとなりましたが、テンくんからまたまた「ユーリ」ネタが投稿されました。
バレエレッスンを受けるオタベック少年と幼少時のテンくんの写真をUP。
オタベックは身体が硬くバレエには向いていないと早々にバレエはやめたようですが、テンくんは柔軟性が高く、バレエの基礎がきちんと身についているのが演技を見れば一目瞭然。
ちなみに、幼少時のテンくんがバーレッスンを受けている様子はこちらの動画で見ることができます。
カメラを意識しすぎたのか、手のポジション一人だけ間違えてるテンくん。
それ以外にもお宝映像が収められています。
それにしても、「ユーリ」にカザフスタン選手が登場したことで、テンくんがこんなに喜ぶとは予想外でした。
テンくんも言っているように、日本のアニメの中の主なキャストとして紹介されるポジションにカザフスタン人が登場すること自体初めてかもしれません。それもフィギュアスケートを題材としたアニメとなれば、テンション上がるのも当然かも。とりあえず、日本のアニメをお気に召したようで良かったです。
ちなみに、テンくんが「ユーリ」についても語っているインタビューはこちら。
テンくんもハマってるらしい「ユーリ!!! on ICE」 (その2)
引き続き「ユーリ!!! on ICE」ネタです。
何と、「ユーリ!!! on ICE」 11話を見たらしいデニス・テンくん自らインスタグラムでオタベックのキスクラシーンと2014年エリック・ボンバール杯の時のキスクラを比較した写真をUPしました…。
https://www.instagram.com/p/BOEafmqF-oV/?taken-by=tenis_den
クマのぬいぐるみを抱くオタベックと、ファンから投げ込まれたテッドを抱くテンくん。このシーンを見て「オタベックは自分がモデルでは?」と思ったようです。
そして、その後ツイッターで「このシーン、自分とそっくり」と次々と写真をUPしてきました。
【18歳の時のテンくんとオタベック】
【バイクに乗るオタベックとテンくん】
(テンくんってバイク乗るのか…知らなかった…。)
ってな具合で、「ユーリ」にかなりハマっているようです。
ハマりすぎて「アニメばかり見てないで、他にやることがあるだろ」とお父さんに叱られたとか。
そんなお父さんの名前はユーリ。テンくんのミドルネームもユーリ(ロシア語では父親の名前がミドルネームに用いられるそうです)。
ついでに、テンくんファンにはお馴染みのこの方もユーリです。
ユーリ・グスコフさん(左端)。カザフスタンのスケート連盟の方で現在はジャッジとしても活躍中。
そして、いよいよ「ユーリ」最終話。
最終話を見たらしいテンくんが、早速ツイッターでオタベック宛メッセージを掲載していました。
思うような結果が出なかったオタベックへの励ましの言葉とともに、「でもそのクマの抱き方はダメだ。クマが呼吸できないよ…」とクマの抱き方へのダメ出しが…。
(テンくん相変わらず面白い😊)
以上、「ユーリ」にハマるテンくんでした。
ちなみに、テンくんとテッドの初対面シーンについては過去記事で紹介しているのでこちらもご覧ください。
テンくんもハマってるらしい「ユーリ!!! on ICE」(その1)
前回に続きアニメ「ユーリ!!! on ICE」について。
「ユーリ」をきっかけにデニス・テンくんに興味を持った方もいるようなので、カザフスタン選手オタベック・アルティンは本当にテンくんモデルなのか、オタベックのプロフィールとテンくんを比較検証してみようと思います。
【共通点】
国籍:カザフスタン、身長:168㎝、「カザフの英雄」として人気
それ以外は・・・
①性格
オタベック:「あまり感情を表に出すことはなく、ストイックでスケートのことしか考えていない。無口でシャイ」
デニス:おとなしくてシャイ、デリケート(歴代コーチら談)。ものすごくおとなしいけど練習が終わるとよくしゃべり、面白い(村上大介選手談※)。スケート以外にも写真撮影・音楽・ダンス等多趣味。交友関係広い。
※【フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋】村上大介選手エピソード4より
〈結論〉あまり似ていない。
②戦績
オタベック:昨シーズンシニアデビューの世界選手権3位
デニス:15歳でシニア世界選手権デビュー8位
世界選手権最高2位、オリンピック最高3位
〈結論〉似たり寄ったり。ただし、テンくんはGPシリーズは苦手。
③外見:似てないですね…。オタベックは白目がち、テンくんは黒目がち。
ってか表情が全然似てないですね。
④演技スタイル
オタベック:雄弁なスケート、男らしい系表現が特徴、ジャンプは力強い
デニス:高い身体能力を生かしたしなやかな身体表現が特徴、各エレメンツとも高評価
〈結論〉:違うタイプですね。
オタベックはジュベール氏に似てるという感想をよく見かけます。
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なんて、テンくんとオタベックの相違点などを考えていたところ、なんと、テンくん自身がオタベックについてインスタグラムに投稿してきました!!!
(つづく)
カザフスタンの英雄による建国プロ?
海外スケーターたちにも注目されているアニメ「ユーリ!!! on ICE」に登場しているカザフスタン代表選手のプログラムがいよいよ放送されるようです。
「ユーリ」放送決定後、情報が少しずつ解禁される中で、デニス・テンくんの演技が「ユーリ」に何らかの影響を与えているらしいことが、振付師の宮本賢二氏と漫画家の久保ミツロウ氏の対談からぼんやりと見えてはいました。
賢二「振付のイメージを僕にでもわかりやすく、こういう感じでしてくれって言ってもらえるから、すごい新しいものが浮かんでくるんですけど、『建国のイメージ』と言われたときはね。(略)『建国、したことないなぁ』って思いましたけど(笑)。」
久保「(略)スケートのファンの方では、建国っていったらやっぱデニス・テンのやってたあの感じね、みたいなやつはこうパッと浮かぶんですけど、まあその、選手を見てというよりは、選手が実際滑っているのを見て感じたファンの気持ちをもう一度再現したいかな、みたいな・・・。まあ最終的に「建国のイメージ」って言ったのも、先生が頑張っていろいろ演技してくださったからで。「あ、なんかすごい英雄が見えました」とか「英雄が戦って建国しているのが見えました」って具体的になってきたんですよね(略)」(扶桑社「フィギュアスケートLife vol.6 より)
この「建国のイメージ」プロが「ユーリ」界でのグランプリファイナルでついに解禁。カザフスタン代表オタベック選手のフリーだそうです。ショートは「超絶技巧曲」だそうで、ステップで踊りまくるテンくんっぽい予感です。
そもそも、何で「建国といえばデニス・テン」なのかというと・・・
上品で高貴な佇まいから「殿下」と呼ばれていたテンくんが、2015年四大陸選手権で圧倒的な演技で優勝、特にFPが母国カザフスタンを通るシルクロードをテーマにした曲だったこともあり、「ついに殿下が陛下に!」「ついに殿下が建国!」というような呟きが流行りました。多分これが起源だと思います。
(実際、現地観戦で仲良くなった高校生の方に、自分はデニス・テンのファンだと話したら「建国ですね😊」と言われて「建国」の浸透具合に驚いたことがあります…。)
ということで、2015年四大陸選手権のFP「十面埋伏」こと「建国」プロをあらためてご覧ください。
ちなみに12月16日はカザフスタンの建国(独立)記念日だそうです。